刑事 当番・国選の初動対応 捜査段階の弁護活動 新人弁護士

接見禁止があると弁護士も面会できない?接見と一般面会の違いを解説します【国選・刑事弁護の実務】

  1. HOME >
  2. 刑事 >

接見禁止があると弁護士も面会できない?接見と一般面会の違いを解説します【国選・刑事弁護の実務】

接見禁止があると弁護士も面会できない?接見と一般面会の違いを解説します【国選・刑事弁護の実務】

目次

新人の先生の中には、接見禁止がついている、と言われると、弁護士も面会できないんだと勘違いして接見に行かなくなる方がいるようです。

しかし、接見禁止がついていても弁護士との接見が禁止されるわけではありません。

また、被疑者らの家族から、面会したいと伝えられた場合には、弁護士のように無制限ではないため、説明する必要があります。

そこで、今回は、弁護士接見と一般面会には、どのような違いがあるのかについて解説します。

弁護士接見と一般面会の差異

一般面会は、時間が短い

一般面会は、弁護士接見以外の面会のことを言いますが、2つの意味で時間が短いです。

1つ目は、面会可能な時間が短いです。

具体的には、各地域により異なりますが、一般的には、

8時30分から17時15分までのことが多いです。

なお、17時15分が終わりの時間になりますので、入室の予約は、16時30分頃までとされていることが多いようです。

2つ目は、面会して話す時間が非常に短いです。

15分しかありませんので、ほとんど話せなかったと聞くことが多いです。

弁護士接見の時間は、いずれも無制限

他方、弁護士接見は、上記の2つの意味のいずれも無制限です。

そのため、あまりいい顔はされませんが、早朝でも深夜でも接見することは可能です。

新人のうちは、日中の時間は、ほとんど裁判や相談の時間に費やされているでしょうから、実際には、それらが始まる前又は終わったあとに接見に行くということが多くなるでしょう。

もっとも、取り調べ時間等の関係で、接見時間の指定を受けることがありますが、接見との比較考量は、司法試験で学習したところです。

一般面会では、立会人がおり、話せる内容には制限がある

これはドラマなどでもありますから、当然に感じるところかもしれませんが、一般面会には、警察が立ち会います。

証拠隠滅等をさせないため、事件に直接関係のあることは話すことはできません。

弁護士接見では、立会がないし、話せる内容も自由

弁護士接見では、立会人がいません。

また、話す内容も事件のことを話さなければ、およそ打ち合わせはできませんので、話すことができます。

もっとも、証拠隠滅等に加担しないよう十分配慮する必要があります。

一般面会人も弁護人も差し入れできるものに違いはない

一般面会人も弁護人も差し入れできるものに基本的に違いはありません。

もっとも、事実上、弁護人が入れる場合の方が聞き入れてもらいやすいということはあるでしょう。

また、一般面会人の場合は、一般面会と大体同じ時間内のみ受け付けている場所が多いようです。

なお、手紙も差し入れ、宅下げすることはできますが、内容を確認されます。

そのため、捜査機関に知られたくないことなどは、弁護人を通して被疑者等に伝えるという対応の方がいいでしょう。

接見禁止の解説

根拠

刑訴81条に規定があります。

否認事件や共犯事件、関係者の多い事件に付されることが多いです。

しかし、弁護人以外の者一般と全ての面会を禁止する必要のない事案も少なくありません。

接見禁止の処分を争う

そこで、接見禁止の処分についても、保釈請求同様に、積極的に争う手段をとるべきです。

もっとも、保釈請求が最優先ということもあり得るところですので、仮に保釈請求が通らなかった場合に、次善の策として利用する場合もあります。(同時の場合もあります。)

接見禁止の処分を争う方法

接見禁止の処分を争う方法としては、

  1. 処分に対する準抗告
  2. 一部解除の申立て

準抗告

認められるためのハードルは高いですが、争う姿勢をとっていくべきでしょう。

もっとも、上述したように保釈請求との兼ね合いは考えながら進めるべきところです。

一部解除の申立て

これは、裁判所に対するお願いするものです。

よく行う内容としては、家族に限定して解除してもらいよう申立てることが多いです。

逃亡や罪証隠滅などの観点からすれば、事件とはおよそ無関係で、立会人ありの面会をすることでそのおそれが現実化することがないことなどを主張することになるでしょう。

捜査段階の弁護活動にフォーカスした書籍は意外と少ない

このように、面会に関する事項が問題になるのは、捜査段階の弁護活動開始直後が多いです。

この時期は、初めての経験である被疑者等の親族から様々な質問を受ける機会があります。

その際に、事前に知識として手続きの見通しが話せなければ、親族などが不安に感じてしまうでしょう。

しかし、被疑者段階の弁護活動に限定した書籍は意外と多くありません。

そこで、入門書は手元にあるが、被疑者段階の弁護活動についてもう少し詳しく知りたいと思い、次の書籍を参照していました。

まとめ

このように、刑事手続の初期段階では、親族など関係者への配慮もしなければならない場面が少なくありません。

最初のうちは、まずは、手続き全体を見渡して、目の前の手続きを掘り下げてみていくということを繰り返して徐々に慣れていきましょう。

本日もお仕事がんばってください。

【21年最新】捜査弁護におすすめな書籍5選+α(捜査弁護編)【新人弁護士向け】

【21年最新】捜査弁護におすすめな書籍5選+α(捜査弁護編)目次 刑事弁護といえばビギナーズという方も多いでしょう。 ビギナーズは、新人弁護士が、刑事事件手続き ...

続きを見る

【21年最新】新人町弁におすすめの書籍6選|相談会に臨む前の不安解消

新人町弁におすすめの書籍|相談会に臨む前の不安解消目次 町弁が扱う事件分野は、多岐にわたります。 新人の先生方が最初に1人で相談を受けるのが、無料相談会というこ ...

続きを見る

-刑事, 当番・国選の初動対応, 捜査段階の弁護活動, 新人弁護士

© 2024 新人・若手弁護士のためのブログ Powered by AFFINGER5