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国選弁護人選任決定書を受領する前に初回接見に行っていい。国選弁護人の選任手続と弁護活動期間の関係を解説します【国選・刑事弁護の実務】

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国選弁護人選任決定書を受領する前に初回接見に行っていい。国選弁護人の選任手続と弁護活動期間の関係を解説します【国選・刑事弁護の実務】

国選弁護人選任決定書を受領する前に初回接見に行っていい。国選弁護人の選任手続と弁護活動期間の関係を解説します

目次

国選弁護を初めて受ける際は、法テラスから連絡が来たり、裁判所から来たりと、いつ初回接見に行っていいのかわからなくなってしまいます。

しかし、初回接見は可能な限り早く行くことが求められます。

そこで、今回は、国選弁護選任決定書の手続きを中心に、国選弁護活動の初動について確認していきましょう。

国選弁護人の選任をするのは、裁判所

国選弁護人の選任について、理解するために、まずは、国選弁護人が選任されるまでの流れを確認しましょう。

  1. 被疑者等が裁判所に国選弁護人の選任を請求
  2. 裁判所が1に応じて、法テラスに対し、国選弁護人の候補を指定・通知することを求める
  3. 法テラスが2に応じて、国選弁護人の名簿の該当者に打診
  4. 弁護士が、3に応じる旨回答
  5. 法テラスが3を受け、裁判所に当該弁護士を選任するよう通知
  6. 裁判所が、5を受け当該弁護士を国選弁護人として選任することを決定
  7. 裁判所が、国選弁護人選任決定書を交付

6までが選任までの手続きです。

1 被疑者等が選任の請求

被疑者等は、資力が50万円以下の場合でかつ勾留決定が出ている場合、裁判所に対し、直接、国選弁護人の選任を請求します。

2 裁判所が候補の選任等を求める

裁判所は、直接は、国選弁護人を選任しません。

3 法テラスが打診

法テラスが、国から委託を受けているため、契約弁護士を国選弁護人の候補を選任します。

国選弁護人の名簿のうち、当日の待機日となっている弁護士に対し、選任の打診をするという取り扱いの単位会が多いです。

4 弁護士が応じる

基本的には、国選の選任の打診が来れば受けましょう。

努力義務となっているためです。

5 法テラスが裁判所に通知

この時点で、国選弁護人(予定者)として弁護活動が開始できます。

国選弁護人選任決定は、まだなされていませんが、活動はできます。

初回接見を可能な限り、早く行いましょう。

6 裁判所が選任の決定

これにより、正式に国選弁護人に選任されたことになります。

7 選任決定書の受領

私選の場合の委任状と類似した機能があります。

しかし、基本的に、選任決定書を使用する場面は多くありません。

裁判所も当該弁護士が選任されたことについて、把握しているからです。

国選弁護人の打診を受け、裁判所に通知するむね伝えられたら、弁護活動を開始してよい

診を受け入れたら、その後すぐに初回接見に向かうことができます。

正式な選任決定は、その後、裁判所においてなされますが、留置所で選任決定書の提示を求められることはほとんどありません。

選任決定書は、あとで受領したり、事務の方に頼むということでいいでしょう。ただし、その際には、受領印として職印を持参しましょう。

被疑者国選弁護の報酬は、弁護活動期間により変わる

被疑者国選弁護の報酬は、弁護活動期間の長さに応じた、標準接見回数との差異で決まります。

そのため、この意味でも可能な限り早い時点での初回接見が必要になります。

なお、被疑者等の身柄が解放された時点で、解任されます。

そのため、初回接見に行く前に釈放等された場合には、一度も接見に行かずに国選弁護人解任となる可能性もあります。

被疑者国選弁護は、最初の手続きが複雑

被疑者国選弁護を初めて受けた際、なかなか手続きに慣れにくいものです。

慣れにくさの原因となっているのは、手続きの複雑さにあります。

しかし、そのような複雑に惑わされ、中身の弁護活動に支障をきたすわけにはいきません。

そこで、今、そして次にどんな手続きになるのか、ということを予め把握しておくことが必要になるでしょう。

まとめ

被疑者弁護では、ただでさえ期間がタイトな中でできうる限りの弁護活動をしなければなりません。

新人で最初のうちは、追いついていくだけでも大変でしょう。

他の記事も参考にしながら、ぜひ先を見据えた弁護活動を行ってください。

それでは、本日もお仕事がんばってください。

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