国選弁護は解任されることがある
目次
国選弁護を何回も受けていると、時には解任されることもあります。
特に既に公判請求されたあとの被告人国選ではよくあることです。
しかし、新人の頃は、突然解任されると、何か自分の弁護活動に非があったのではないかと心配にもなります。
そこで、今回の記事では、国選弁護をしていて解任される場合について確認していき、その後の手続きまで確認することで、自分の行った弁護活動が適切に評価されるようにするにはどのようにすればいいのか解説していきます。
このブログについて
このブログでは、新人・若手の弁護士の方向けに実務の動き方、運用などをお伝えし、少しでも早く弁護士業務に慣れてもらえるように記事を作成していきます。よかったらブックマークなどして頂けると嬉しいです。
それでは、早速中身に入っていきましょう!
国選弁護が解任される場合ー解任事由
国選弁護人が解任される場合は、解任事由に該当する場合です。
事前に被告人(被疑者)から知らされていなかった場合には、突然裁判所から知らされることになり、びっくりしますが、ほとんどが私選の弁護人が新たに選任されたからです。
被告人等も詳しい手続きは知りませんから事前にはあまり教えてくれません。
解任事由は、刑訴法38条の3第1項に規定があります。
大まかには…
- ①私選弁護人が新たに就いた時等
- ②利益相反がある時
- ③職務遂行困難
- ④任務に著しく反した時
- ⑤弁護人に対して暴行などがあった時
私選の方が自分の思い通りに動いてくれそうというような理由から、私選弁護人を就けるということも少なくないので、解任された場合も、落ち度があったということは少ないでしょう。
解任後の手続き
解任後は報酬を請求します
解任後は、自己の弁護の度合いに応じた適切な評価をされるべきです。
そのため、しっかり報酬を請求しましょう。
下記の法テラスのサイトから報酬の請求用紙をダウンロードし、請求を行いましょう。
※法テラスのサイト
https://www.houterasu.or.jp/housenmonka/kokusen/index.html
報告書の記載の仕方
報告書には、
- 「判決宣告以外による終了」にチェック
- 私選弁護が選任された場合には、「解任理由」を「第1号」とします
- 解任タイミングにチェック
- タイミングが、1回も公判を行わない間の場合には、下記を参照
という具合に記載します。
1回も公判手続きを行わない間に解任された場合
例えば、被告人段階で初めて国選弁護人に選任されて、公判手続き期日に入る前に解任されることがあります。
このような場合には、次の要素に応じて報酬が変わります。
- 接見(電話接見含む)をしたか
- 記録を閲覧又は謄写したか
- 十分検討したか
この中で、パッと見て分かりづらいのが、「十分検討」の判断基準です。
接見では接見資料が要求されたりしますが、「十分検討」の判断には特に資料は要求されません。
そのため、自己判断で「十分検討」したと考える場合には、チェックを入れてよいようです。
わたしは、念のため、どんな活動をしたのか、ということを記載して提出するようにしていますが、その辺りは各人の判断に任されるところでしょう。
まとめ
これで突然国選弁護人を解任された場合の対応を一通り確認できました。
被告人段階から選任されるような場合には、公判期日も既に決まった状態で選任されるため、迅速に対応しようとしていたところ、出鼻をくじかれるということもあります。
手続きの問題で偶然国選弁護人が選任されてしまったということもよくある話ですから、慌てずに報告書を出して終結させましょう。
本日もお仕事がんばってください。
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